2020から現在までの銚子市におけるcovid19発生状況
2021年5月18日
銚子市医師会 公衆衛生 感染症対策班
銚子市医師会でインフルエンザ発生数の統計を取り始めて10年以上になるが2020~2021年シーズンは医師会員からのインフルエンザの発生報告数は5人のみ、勿論過去最も少ないシーズンであった。
全国的にもインフルエンザとcovid19とのダブル流行に備え緊張感を持って体制を強化したがインフルエンザに関しては全く流行が見られなかった。
今年度はインフルエンザではなくcovid19の感染状況をレポートにまとめたので、ここに報告する。
図1は2020年1月から現時点(2021年5月18日)までのcovid19感染状況及び累計感染者数である。
図 1 2020年~銚子市 covid19感染状況
図2に感染者の男女比と年代別感染者割合を示す。
他地域と同様20歳代の若い世代での感染者が多いが、銚子で特徴的なのは40歳代の感染者が少ない事であろう。
原因は調査中である。
図 2 男女比および年代別感染割合
図 3 世代別感染者数と感染率
銚子市のcovid19の感染は隣町東庄町の介護施設のクラスター発生から始まった。
しかしながら市中へ蔓延することはなく収束している。
その後は2020年8月第33週~34週に市内水産加工業者でのクラスター発生のため感染者が増加しているが、2020年は市外の介護福祉施設でのクラスターと先の水産加工業者でのクラスター発生による感染者が主な感染経路で、感染経路を追うことが出来る感染者が多かった。
2021年になると感染経路不明の感染が増加している。
図4に感染経路別の感染者数と職業別の感染者数を示した。
図 4感染経路別感染状況と職業別感染状況
銚子市内では介護施設でのクラスターの発生はなく、医療・介護関係の感染者は少ない印象である。
千葉県発表の新型コロナウイルス感染症感染者の発生報道資料を見ると銚子市の感染者で学校・教育委員会が関係する教職員・児童・生徒・学生・保育士などの感染者が約1/4を占めている。
昨年より自分が学校保健を担当しており目が行くのかもしれないが、クラスターと認定されない介護高齢者施設での感染者・医療関係が3%と低いのと比較して学校関係の感染者が多いのが気に係る。
5月中旬になってゴールデンウィークの人流の影響か銚子市でも若い世代の感染者の報告が相次いでいる。
銚子市では医療従事者のワクチン接種も終わっておらず、高齢者のワクチン接種も始まったばかりである。今まで幸いなことに銚子では重症者の報告は出ていない。
変異型のウイルスの増加などは予想できていた事態と思われるが、3回目の緊急事態宣言発令の中、重症者が出ないことをただただ祈るばかりである。
2021/5/18 銚子市医師会 浅利俊彦